zekaoh's blog

将棋、雑記など

映画「ボビー・フィッシャーを探して」を見る

映画「ボビー・フィッシャーを探して」を見る。

原題は「innocent move」。チェスの天才少年の実話らしい。主人公は小学生の子供。チェスの天才で初めは無邪気にチェスを指して大会で勝ちまくるのだが、才能が本当の本物であるがゆえに親や周りの大人に期待され、それが重圧になって勝てなくなり挫折してしまう。そして周りも本人も反省、成長し、大会でライバルと対決する、という話。
こういうジャンルの映画としてはこれ以上ないくらいの心和む良いストーリー。出てくるキャラクターも邪悪な人が出てこずみなそれぞれ愛すべき存在。主人公に影響を与える役にタイプの違う3人の大人が出てくるあたり脚本も良い。それぞれの関係がさらっとしているのも良い。まあ公園のチェスおじさんあたりは映画的な創作キャラクターっぽいかな。

気になるのは親子が似てないことぐらい。主役の子はあまりにも可愛く、チェスを指してる時の表情は萌え死ぬ人が続出しそう。あの表情はイノセントすぎる・・・

多少ヌルい話ではあるけどやっぱりこの手の映画では完璧に近い出来ではないかなあ。ボビー・フィッシャーは直接映画に関係はしていないけど、無垢さとか心の自由奔放さとかを象徴しているのかな。勝利至上主義のチェス界の歪みも(映画的に)描かれているし、明るい部分も暗い部分もある非常に楽しいおすすめの一本でした。



将棋でこういう話は無いものか。羽生の少年時代の話を映画化しないかね。チェスは何となく絵になるけど将棋は何か違うな・・・将棋界は少年時代から異常に厳しいので、この映画のようなああいう純真無垢な主人公はすぐに挫折してしまいそう・・・(こうして書くと将棋界は悪い子ばっかりいるみたいだけどそんなことは無い・・・はず・・・)