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zekaoh's blog

将棋、雑記など

「ものの歩」10話目の感想

「ものの歩」10話目の感想

信歩対十歩の終盤戦。白熱の戦いの中、信歩の歩への思いが十歩の心を目覚めさせます。昔の純粋な気持ちを取り戻し、様々な雑音を振り払ってゲームに、将棋に熱中する十歩。
いてもたってもいられなくなり、ダッシュで会場に駆けつける竜胆くん。役者も揃い迫力ある終盤戦が描かれ、今週も読み応えがありました。

先週、先々週とかなり孤独病をこじらせていた十歩くんですが、今週は呪縛が解けて顔の表情も良くなってきたように思います。十歩が泣きながら信歩が勇者、自分がモンスターと語るあたりは中々のこじらせ方名シーン。ここらへんのセンスは呪縛が解けても変わらない・・・信歩と出会わなかったら十歩はどうなっていたのかなあ。ジャンプで連載中の左門くんみたいになっていたりして・・・

それにしても今週は(も?)アツかったですね。
アツすぎて何だか最終回のような気も・・・いやそんなことはないですよね。
まあこれから登場するであろう謎の人物もスマホ経由で偶然この対局を見ているのでまだまだ続くんだと思います。
それにしても彼は誰なんでしょうか。和服を着ていたので棋士

好きってだけで指す将棋が 好きなんだ

今週の盤面

第一図

▲5三歩まで

先週のラストに指された▲5三歩。
漫画内では悪手とされた▲5三歩の垂れ歩ですが、実際はそんなに悪い手というわけでもないですよね。
ちょっと狙いがはっきりしないので浮かびにくい手なのかな、という感じ。
後で分かるけど、この歩がないと▲4五の銀が動かせないんだよね。

第二図

第一図から △5九銀 ▲4六銀 

それに対し十歩は垂れ歩を相手にせず、△5九銀と王手飛車狙い。先週の角筋を受けろというのはこの手を受けろということでしょう。
確かに王手飛車を食らっては負けなので、信歩は▲4六銀と打って受けました。

第三図

第二図から △4九角 ▲7七金上 △5八角成 ▲3四銀

十歩は浮いている▲7六の金取りに△4九角。それに対し▲7七金上(上がる)が銀から逃げつつ金に紐をつける好手。
▲3四銀と動かせる▲5三歩があるので可能(5六銀が取られてしまう)。
漫画内ではこの流れは偶然としてあるが、先手はこの進行は頭に描いていたはず・・・だろうね。

第四図

第三図から △6八銀不成 ▲8八玉 △7七銀成 ▲同金 △7六歩 ▲4三銀成

十歩は嵩にかかって攻めますが、まだ先手陣には耐久力があり寄せ切るまでにはいかない。攻めの間隙をついて先手の銀がとうとう後手陣に成り込みました。
この成銀は金で取ると飛車が2二に成れるので取れません。5三の垂れ歩を強力にバックアップする成銀ですね。

第五図

第四図から △7七歩成 ▲同桂

漫画からわかるのはここまで。この後十歩が歩をつまんで何か手を指したのですが、それがどこなのかは確認できず。たぶん△2三歩?(飛車先を止める意味)でも持ち歩が減ってないので違うかなあ。△7六歩も描かれてないし・・・うーん。
おそらくその不明手に対し信歩が▲5二銀と打ち込んだところが今週のラストシーン。
残り九秒、切れ負けルールだと思うので、十歩の玉が詰んでいても時間が切れれば負けです。手数のかかる詰みの場合は間に合わないかも・・・!

いやあこうやって盤面を再現していくと楽しいですね。漫画が2倍楽しめるというお得感。今週のような将棋の終盤のスリルはぜひ未経験者の方にも伝わって欲しいです。

それにしてもドラマとして盛り上がる棋譜を作るのは大変だろうなあ。
今回は攻め合い一手勝ちみたいな派手な棋譜ですが、今後強くなるに従ってプロみたいな負けにくい将棋を指すようになって、ものすごく難解な棋譜ばかりになったらドラマが作りにくくなるんじゃないのかと心配。
まあそれはそれで面白いのかもしれないので棋譜監修の橋本八段には頑張って頂きたいですね。
ということで今週の感想でした。

NHK杯 行方 藤原戦

ジャンプ最終ページの作者の一言にNHK杯の行方戦についての記述がありました。
棋譜はこちら
NHK杯テレビ将棋トーナメント 行方尚史 八段 対 藤原直哉 七段

行方八段必敗の形から粘って大逆転した将棋ですね。こっちを攻めればあっちを攻め、ファンネルマインダーばりの盤面を広く見た指し手で形勢をひっくり返していきます。
ハイライトは113手目 ▲5六香

龍と角の田楽刺しですが、別にあわてなくても5五に歩を打てば受かっている・・・ように見えて、
▲8二角と打った効果で△5五歩 ▲同香 △同龍は▲6三歩成が王手龍取り。

ああなんという凄さ。自分もたまたまこのシーンだけ見てびっくりしました。
本譜は当然こうはならず、実際形勢とかよくわからないんですが、秒読みの中での行方八段の読みの凄さには恐れいりました。いやあ本当にすごかった。
いずれ漫画でもこの局面が出てきたりして・・・