「ものの歩」14話目の感想
「ものの歩」14話目の感想
今週のものの歩はゴールデンウィーク中の話。かやね荘は帰省で人がいなくなるため閉まり、信歩は竜胆の家で特訓合宿。
団体戦の組み合わせも決まり決勝まで勝ち続けなければ蒼馬と戦えない信歩たちですが、信歩の将棋は絶不調。いらいらした二人は喧嘩して信歩は家を飛び出すはめに。
行くところもお金も無く、とりあえず飛び出た信歩ですが、そこに十歩から連絡が・・・
ということで今週は十歩が再登場。十歩の住むアパートか何かで大会以来の再会ですが、普段から連絡しあっているようなので仲が良い二人。
というかドアを開けた時の十歩の表情が・・・いや、それについては触れまい・・・
十歩も初心者ということで、不器用ゆえに伸び悩む信歩に得意戦法を持つように勧めます。あれこれ考えずにその戦法だけを究めるのが良いのではないか、そして信歩が選んだ戦法は「矢倉」。
他の戦型になった時にうまく対応できなくなるリスクはあるものの、メリットのほうが大きいという判断ですかね。
何かのヒントを掴んだのか、速攻で竜胆の元に帰る信歩に十歩はなんだか悲しそう。せっかくピザを頼んだのに・・・いや違う、もっと純粋な・・・(以下略)
矢倉の鬼
矢倉の例
この先手と後手の囲いが矢倉囲い。一般的には先手が攻め後手が受ける。後手は先手の攻めを受け止めて反撃。
お互いの玉頭が戦場となり、正面からぶつかり合うような華々しい戦いが見られます。
矢倉戦は長い歴史があり、棋士たちによって様々な攻め筋や対策が開発され、一口に矢倉と言っても様々な戦法があります。
矢倉についてはこちらのサイトがが詳しいです。
将棋入門一歩前! - 矢倉(新24手組み)
将棋入門一歩前! - 矢倉(25手目を巡る攻防)
将棋入門一歩前! - 矢倉(急戦)
うーん概要を把握するだけでも大変ですね。自分もよくわかってません。
信歩は矢倉のスペシャリストを目指すとのことですが、具体的には▲4六銀▲3七桂戦法をメインにするんですかね。最後のページの盤面はそんな感じでした。
振り飛車に対してはどうするのか、漫画内で十歩は振り飛車にも矢倉でさせばいいじゃん、と言っていましたが、さすがにそれはあんまり見たこと無いですね。
純文学
※12月15日追記
以下の文章に出てくる「純文学」ですが、どうやら米長邦雄永世棋の定義によると矢倉戦特有のネチネチとしたもつれ合いの様を表現したもののようです。コメントありがとうございました。そっちのほうがわかりやすいですね。
こちらの記事も参考になりました。申し訳ございませんでした。
「ものの歩」第14話。純文学の意味を勘違いして矢倉の鬼になる信歩。彼を奪い合う十歩と竜胆 | 将棋ワンストップ・ニュース
作中に出てきた「矢倉は将棋の純文学」と言ったのは米長邦雄永世棋聖です。お写真はこちら
イエーイ
「純文学」という意味ですが、色々な解釈が出来る表現なので難しいですね。普通に捉えれば本格的とか芸術的とか、将棋を代表するような戦型という意味でしょうか。
個人的な考えですが、矢倉戦は非常に難解な壮大なパズルを解く感じがします。そのパズルに挑む棋士は人間の不可解さを表現しようと挑む文学者と似ているんだと思います。ってちょっとおかしいかな・・・?
とにかく矢倉を表すのに上手い表現だと思います。その米長永世棋聖は数年前にお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りします。
まとめ
今週は何だかまとまらない感じの感想になってしまったような。これは全て異常に可愛く描かれたJIPPOくんのせいですね・・・作者は狙ってるなあ。
ストーリーについてですがやっぱり大会には二人で出場するのかなあ。今週の流れだと十歩も団体戦に絡んでくる?
味方ではなく敵として・・・そういう展開も一興ですね(さすがに無いか)。
今週は掲載順も上がったしまだまだ連載は続きそう。来週も楽しみです。