「ものの歩」18話目の感想
「ものの歩」18話目の感想
今週は増量ページということで読み応えたっぷり。第一巻重版記念とのことなので、人気も出てきたんですかね。十歩人気が・・・
それから漫画本編の前のページに「ものの歩 プロへの道も一歩から」という記事ページが始まりました。作者の池沢先生、担当M氏、そして監修の橋本八段による鼎談形式の情報コーナーのようです。今回はプロになるには、というテーマで奨励会の仕組みなどが解説されています。
ほとんどの人は将棋界の仕組みを知らないと思うので、こういうコーナーは非常にいいですね。何回続くのかわかりませんが、将棋界の話だけではなく、漫画に出てくる棋譜の解説や、ハッシーの監修の仕事ぶりなど漫画制作の裏側の話なども読んでみたいですね。
また奨励会ピラミッドの図にかやね荘のメンバーの現在の段級位が書かれていました。それによると泰金、銀雅は三段、桂司、香月は初段、そして1級にみなとということでした。
信歩や竜胆は奨励会に入会して、桂司や香月らに追いつくことになるのかどうか、まだまだ先の話だと思いますが、それもこれからの楽しみの一つですね。
ストーリーは今週は凄かった。不登校の十歩、在籍している高校に将棋部はなく、この大会になんとしても出るためにわざわざ将棋部のある高校へ「転入」!! これは凄いなあ。高校へ行く十歩を見送るお母さん泣いてるよ・・・お母さん良かったね。ここの回想シーンはびっくりしすぎて正直思わず笑ってしまいました・・・
十歩を大会に参戦させるための無理矢理感はありますが、ここまで熱いキャラクターを見せられるとツッコミも忘れて感動してしまいますね。
「その他大勢に混ざりたくない」などとこじれた自意識が健在なのも面白い。十歩は信歩と出会って素直になったかのように見えて、より深い方へ性格をこじらせてしまったのかもしれないな・・・
対する駒江第一の岬もこれまた面白キャラでした。劣勢になるとすぐ投了。優勢のまま勝ち切ることを美学とする・・・この設定も凄いなあ。序中盤の研究家で、1年間劣勢になったことはない、というありえるんだかありえないんだかわかりませんが、とにかく十歩にも負けない面白いキャラクターでした。
両者ともどこか何かをこじらせてますね・・・将棋とは別にこじらせ対決になっていて面白いなあ。どっちが勝つのか、次号決着のようですが最高の展開を期待します。
もし仮に次に岬が信歩と戦うことになると、信歩は相当序盤での苦戦が予想されますね。そこで終盤逆転して勝つパターンになるのかな。
十歩が勝って信歩戦だと、十歩は目標が無くなってまた不登校になりそうな・・・もし十歩が勝ってもお母さんを泣かせない展開を希望します。
今週の盤面
十歩 対 岬
第1図
▲7四歩まで
早石田急戦。先手は十歩と思われます。
このタイミングの▲7四歩は鈴木大介八段の手ですかね。鈴木八段はこの手で新しい戦法を開発した人に贈られる升田賞を受賞しました。
端歩が突き合ってあるのが珍しい形でしょうか。これが定跡なのかはわかりません。
▲7四歩の後の進展はこちらをどうぞ。大駒を交換していく派手な展開になります。
石田流 - Wikipedia
第2図
△5五歩まで
盤面がよく見えないので想像図です。先手は角2枚で攻め、後手は飛車2枚で受ける展開になったんでしょうか。今は後手が反撃したところに見えますが形勢はよくわかりません・・・
第3図
このコマでは後手の1四歩が1三歩になってますね。ここは作画のミスと思います。
ここは後手が指したところだと思うのですが、何を指したんでしょうか。△8三飛車かなあ。
第4図
▲7二歩まで
今週の最終図。おそらく第3図の次の局面だと思います。
本当はもう一歩十歩の駒台にあると思いますが、漫画のコマにはありません。これもおそらくミスでしょうかね・・・
この歩は金や銀で取ると王が取られてしまう(飛車や角が王様のラインにいるため)ので取れません。そこでそれ以外の手を指すことになるのですが、どう指すのが最善か、それは各自お考えを・・・(またこのパターン)
もちろん自分は次の手は全然わかっていませんが、次の一手問題としてこれはいい問題なのかどうなのか、来週のお楽しみですね。