将棋参加人口について
将棋参加人口について
レジャー白書によると15歳以上の「将棋参加人口」は09年の1270万人に対し13年は670万人に激減した。将棋に詳しいジャーナリストによれば、人口の減少はレジャーの多様化に将棋も飲み込まれたためで、特に08年のリーマンショック以降の協賛金の減少が響いているのだという。企業などからの協賛金は「名人戦」などの賞金に充てられ、かつては数千万以上を稼ぐ棋士がざらだった。
週刊将棋休刊についてのJ-CASTニュース。赤字が記事中で気になった部分。調査方法が変わったんですかね。
2009年の数字については以下の記事に説明があります。
asahi.com(朝日新聞社):囲碁人口610万人、将棋1200万人 レジャー白書 - 将棋
2011年版「レジャー白書」によると、昨年の囲碁人口は610万人、将棋人口は1200万人だった。ともに09年の結果とはほぼ横ばいだが、08年は囲碁250万人、将棋690万人だった。大きく膨れあがったのは、調査方法を切り替えたのが理由だ。
レジャー白書は09年調査の2010年版で、用紙を渡して直接書き込む従来の方式から、インターネット調査に変更した。すると、囲碁人口は前年の約2.6倍にあたる640万人、将棋も約1.8倍の1270万人に急増した。
この記事は2011年のもの。調査方法が変わったので将棋人口が増えたように見えるという記事。
今は一体どうなっているのかなと思い検索してみると以下のページが。
麻雀人口と市場規模 ~レジャー白書2014より | 麻雀フェスタ
将棋人口の推移について考える - 将棋のブログ
『いけるい』の将棋日記 「週刊将棋」の休刊は、将棋界の危機なのか?
麻雀の市場規模データを更新しました④ 〜時間泥棒編〜 : 天国へ行くための136の方法
上記ページにあるレジャー白書の将棋参加人口情報、いけるいさんのページにある社会生活基本調査の数字をまとめるとこうなります。
年 | レジャー白書 | 社会生活基本調査 |
2001年 | 1030万人 | |
2002年 | 910万人 | |
2003年 | 900万人 | |
2004年 | 840万人 | |
2005年 | 710万人 | |
2006年 | 770万人 | |
2007年 | 660万人 | 441万人 |
2008年 | 690万人 | |
2009年 | 1270万人(調査方法変更の影響) | |
2010年 | 1200万人 | |
2011年 | 830万人 | |
2012年 | 850万人 | 392万人 |
2013年 | 670万人 | |
2014年 | 850万人(ソースはこちらのページ) (いけるいさんのページでは670万人) |
実物を調べたわけではないので数字の正確性はわかりません。
とりあえず数字は2013年は激減していますが、あれ、2014年は戻ってますね。うーん、180万人の増加・・・?
ちなみにどういう調査方法なのかについて、再び上記朝日記事から引用。2011年の記事。
今回は15~79歳の約3700人にネットで余暇活動の状況を聞いた。1年間に1回以上、囲碁や将棋をした人数から「人口」を算出。14歳までと80歳以上は人口に加味されない。愛好者一人あたりの年間平均活動回数は、囲碁が15.1回、将棋が8.4回。二つの種目の比較では、将棋が大衆性で上回る一方、囲碁はリピーター率の高さを示した。
このやり方で今も調査しているのか不明ですが、200万人単位で減ったり増えたりしているので、おそらく調査の具合で2013年はたまたま低い数字になっただけのように思います。参考にした表にある囲碁や麻雀などの他のゲームも人口が増えているので調査方法が少し変わったのかもしれません。
そもそもこの数字はどれだけ実態を反映しているのかわからないので、どう見ていいかが難しいんですよね。
将棋は指さないけど本や観戦にお金を使うファンもいますし、将棋アプリ、詰将棋アプリなんかで遊ぶ人も参加人口に入っているのかどうか・・・
自分の感覚としてはそんなに将棋ファンの数は変わっていないような気がしていますけど、全体としてはやっぱり縮小傾向なんでしょうね。街の将棋道場なども増えているのか減っているのか気になるところです。
週刊将棋休刊について
週刊将棋休刊については 上記J-CASTニュースの記事にあるとおり、ネットの影響が一番大きいんだと思います。
週刊将棋を買っていたお金が、ニコニコ動画と連盟モバイルあたりに流れたんでしょうか。全体のパイ自体はあまり変わっていないような感じは個人的にはしますが、ファンは将棋をアーカイブするような楽しみ方から、ライブ的にその場で消費するような楽み方になったのかもしれません。
棋士の収入について
棋士の収入については調べてないのでスルー(調べる気もないです)。ただ今年度から叡王戦が始まったので今年は前年よりは増えているはず(達人戦は無くなったけど)。叡王戦はとりあえず3年?は続くような話だったと思います。
本当は連盟は叡王戦を盛り上げて、長年続く棋戦にしたいところだと思うのですが、誰の思惑なのか叡王戦は自由参加のエントリー制にしてしまったので、結果として今年は羽生、渡辺がいない棋戦になってしまいました。この判断は良いのか悪いのか、今年どれくらい盛り上がるか、来年はどうなるのかなど、まあ色々見てみないとわかりませんね・・・
将棋界の危機について
将棋界の危機ですが、ずっと前から将棋界は危機危機言われているのでちょっと聞き飽きた言葉ですね。まあでもこれから想定される危機で一番ありそうなのはタイトル数の減少ですか。7大タイトルから6大タイトル、5大タイトルへ・・・これは近い将来有り得る話だと思いますが果たしてどうなりますか。
タイトル戦のネット中継の定着、初の女性プロ入りを目指す里見香奈三段、藤井聡太三段などニュースターの出現、などなど明るい話題もあるので自分はそんなに悲観はしていません。ジャンプで漫画も連載中ですしね。
おまけ
麻雀の市場規模データを更新しました③ 〜天下創世編〜 : 天国へ行くための136の方法
こちらの記事には「レジャー白書」特別レポートからの2010年の将棋参加人口、デジタル参加人口、デジタル活用度の表が載っていました。
記事から詳しいことはわからないんですが興味深いデータだと思います。2015年の今はどれくらいの割合になっているんでしょうか。