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zekaoh's blog

将棋、雑記など

「ものの歩」8話目の感想

「ものの歩」8話目の感想

今週は信歩(しのぶ)対相楽十歩(さがら じっぽ)戦。
先週気になった大会への実況許可ですが、取材という形で許可は得ていたようです。厳密には撮影と実況中継は違うと思うんですが、大会運営者はそこらへんは気にしなかった模様。漫画内で視聴者と受け答えしている様子は無かったので、通信してはいないから良いとの判断でしょうか。

今週は相楽十歩の人物像が語られました。数々のゲームを攻略し、すぐに廃れさせることからコンテンツ殺しの異名を持つ十歩。
その将棋の実力は優勝候補のおじさんに勝つだけではなく、対局中にスマホ3つをいじってネット将棋をし(将棋ウォーズっぽい)、なんと全部で四面指しをしてその全てに勝つというすごさ。
しかも将棋を始めて一ヶ月・・・強さを印象づけるためとはいえちょっとやり過ぎの感じもしますが、マンガはこれぐらいのほうが良いのかもしれません。ちなみに信歩は将棋を始めてまだ10日(!)なので、これぐらいの描写はありといえばありだと思います!
ただスマホをいじるマナー違反はもう少し怒られても良かったような。失格を迫られてピンチになった十歩の立ち回りなんかも見てみたいところ。反省しているように見せて十歩は許してもらえるのですが、心のなかでは舌を出す、ゲームも人間も攻略するようにしか付き合えない十歩のキャラクターを見せる良いシーンになりそう。

関係ない話ですが、十歩が対局中にスマホをいじるというのは先崎学九段(たぶん)が子供の頃、道場かなにかで大人と対局していて、相手の長考が退屈だったから漫画を読みながら指して勝っちゃった、というエピソードから来てるんじゃないかと思ったんですがどうでしょうか。
先崎九段も世が世なら十歩のようにスマホをいじりながら(将棋ではなくネット麻雀か)対局していそうですね。

「攻略しがいがあるなって★」

第一図

△6四銀まで 先手信歩 後手十歩

戦型は後手の急戦矢倉。定跡通ならこの局面をご存知の方もいるのかな。でも先手は角が飛車先を守っているのでもう矢倉の定跡形とは違うのかもしれません。
盤面ですが、この局面に至るまで自分なりに初手から並べてみたんですが、なんだか後手が一手足りないんですよね。どこかで後手がもう一手指してこの局面になると思うのですがどうなんでしょう。
以下の手順は盤面から筆者が想像したものです。本来の手順と違う場合がありますのでご注意を。

第二図

第一図から ▲6七金 △7五歩 ▲6八角 △7六歩 ▲同金 △5五歩 ▲同歩 △5二飛

後手の狙いは△7五歩 ▲同歩 △同銀 と角の頭を狙いに行きます。ここを素直に応じると△8六歩 ▲同歩 △同銀と飛車先を突破されてしまうので金を前線に持って行き防御しました。△6四銀を捌かせないようにするのが大事。
すると一転十歩は飛車を五筋に展開し薄くなった中央を狙います。

広角思考力!!!(ファンネルマインダー)

第三図

第二図から ▲6七銀 △5五銀 ▲7八金 △5七歩

銀を5筋に捌いてから△5七歩!! 信歩の一点集中型の思考力(トンネルマインダー)に対抗するような十歩の広角思考力(ファンネルマインダー)が盤上に炸裂。
ファンネルマインダーは絵から考えると駒をガンダムファンネルのように自在に使いこなすイメージでしょうか。作者さんはガンダム好き?
ちなみにファンネルとは日本語では漏斗のことらしいので、広角ならワイドマインダーが正しそうですが、絵と言葉の迫力を考えたんですかね。まあこういうインパクトのある技名(?)をつけるのは少年漫画では大事だと思います。
まだ描かれてませんが、実は他のキャラクターも「~マインダー」持ちなのかも。あんまりマインダーバリエーションは無さそうですが・・・

この△5七歩ですが、角で取らせて当たりを強くする狙いというのはわかりますが、その後の指し方が自分には残念ながらよくわかりません。
▲5七角 △5六銀 ▲同銀 △同飛として5七で角と飛車の交換をして△3九角とかですかね。とにかく先手陣を荒らすのが狙いかも。

この妙手を指し、今回も退屈なゲームになると落胆する十歩に対し、信歩は十歩の予想を超える手を指して続きは次回。

感想のまとめ

ネットには将棋の強い人がゴロゴロいるけど十歩は彼ら全員に勝ったの?退屈とか落胆とかおかしくない?などとツッコミも入れたくなりますが、十歩の内面が短いながらもきちんと描かれていて、なんだかんだ今回も面白かったです。十歩も含めキャラクター全員が心に熱いものを持ってるからなのか、多少設定がおかしくてもその熱さにOKを出す自分がいます。がんばれと応援したくなるのがスポーツ漫画の醍醐味ですね。

そうそう信歩はプロになることを軽々しく言わなく(言えなく)なっていて、ちょっとしたシーンですがここは成長を感じさせる良いシーンでした。
十歩の見せ場も主人公の見せ場もあり、先週はちょっと不安だったんですが、今回は意外と言うかなかなかの良い回だったと思います。
来週は信歩によって十歩の微笑の仮面が剥がれ落ちるんでしょうか。楽しみです。