zekaoh's blog

将棋、雑記など

「ものの歩」19話目の感想

「ものの歩」19話目の感想

ま、負けました・・・

と、十歩に代わって私が岬に投了をするという謎の出だしですが、今週は十歩対岬の決着編。
先週衝撃の回想シーンで信歩と戦うための異常な執念を見せた十歩。格上相手とはいえ、この執念ならもしかしたら岬に勝つかも・・・と期待したんですが残念ながら悲しい展開になってしまいました。
玉が詰みになるも、負けを受け入れられず、投了の意思表示もせずに盤の前から飛び出す十歩。それやっちゃダメ!なんですがしょうがない。先週の気合の入りようは凄かったからなあ。まさかこういう形の結末が待っているとは・・・

ボロボロになった十歩ですが、救いになったのは信歩の言葉でした。自分はてっきり信歩が十歩を慰めるんだと思って読んでいたんですが、多くを語らず一言だけ声をかけてすれ違う信歩。そこには信歩なりの思いがあり、それによって十歩は立ち直るのでした。ナイス信歩。


今回話としてはうまくまとまっていて良かったんですが、若干十歩の将棋での見せ場が足りないかなとは思いました。ほとんどいいところ無く負けるのが必要だったとはいえ、もう少し十歩の戦いっぷりは見たかったような。またこの終わりかただと十歩が素直になりすぎて、こじらせキャラとして今後出番が無くなるような感じもしますね・・・

先週から今週へ急転直下と十歩編、ある意味衝撃の展開ではありました。今回は先輩らと仲良くなるイベントだったですが(?)、竜胆などのメインキャラと仲良くなるイベントがまだ残っているので、十歩ストーリーまだまだ続いていってほしいなあ。

今週の盤面

2009年2月6日 順位戦 B級1組 久保利明 対 井上慶太



棋譜を見やすい将棋盤で表示するために,Fireworks さんが作成されたアニメーション付棋譜再現プレーヤー 「フラ盤」を使用させていただいています.)

棋譜将棋の棋譜でーたべーすさんから

十歩対岬の元になった棋譜。完全に同じではなく、漫画では1筋の端歩が突きあいが入っています。この改変は局面検索で引っかからないようするためでしょうか。

第1図

△2九馬まで

この局面までは進行は同じ模様。元ネタの棋譜では90手の局面。この△2九馬は取ったら△6九飛から詰みですね。

第2図

△5九龍まで

こちらは漫画版の局面。元ネタの棋譜ではこの後先手はかなり粘るのですが、漫画版では進行を変え、短手数で詰む形にしてあるようです。

第3図

△5七龍まで

漫画版の投了図。完全な詰みですね・・・ある程度強い人でここまで指すのは通常は無いことなので、この局面は十歩の無念さを表したものになっています。信歩との勝負も見たかったですね。
それにしても高校生で負けてああいう事する人はいるんでしょうか・・・

久保井上戦の感想

34手目 △5三飛まで

先週の盤面で気になった後手の△5三飛。持ち駒の飛車を自陣に打ったこの手が序盤の好手なのかな。

60手目 △8四飛まで

59手目 ▲7二歩に対し△8四飛と角を取った局面。先週は何か変わった手を指すのかなと思ったんですが、指されてみれば当然の対応に思えますね。

この棋譜をざっと見たのですが、かなりの乱戦で形勢などはよくわかりませんでした。漫画だと後手がリードし続けた棋譜とのことなので、かなり序盤の段階で先手が手を変える必要があった将棋なんでしょうかね。

今回はプロの棋譜が元ネタということで、先週の段階ですでにどの棋譜が使われたかが一部の将棋ファンにはわかってしまっていました。
勝敗のネタバレ問題があったわけですが、棋譜の勝敗は作り手側で変えることが出来るとはいえ、こういう情報は意外と気になってしまうものなんだなと思いました。
まあ元ネタの勝敗を知ったとしても、漫画でも必ずそうなるわけではないので気にしなければいいんですが、どちらか片一方のネタバレを食らってる感じがするからなのか、なんかモヤモヤするんですよね。

勝敗に関してはオリジナルの棋譜を使うのがネタバレ(?)が無いので望ましいのかなとも思いますが、プロの対局で生まれる美しい棋譜、カッコいい手などはどんどん漫画で使って欲しいんですよね。今回の久保-井上戦も面白い将棋でした。まあ解説が無いのでよくわかってないんですが・・・

後やっぱり漫画で指された将棋がどんな将棋だったか、棋譜が見れるのは良いですね。ここはプロの棋譜を使うメリットだと思います。今回はこのブログのコメント欄で詳しい方が教えてくれたのですが、普通の人でも探せるように、できれば漫画内で決着がつく回とかに参考棋譜の情報を載せてくれるといいかと思います。

ほとんどのものの歩ファンにとってはどうでもいい話ですが、一応将棋ファンのはしくれとしてプロの記譜使用について思ったことを書いてみました。

まとめ

来週はセンターカラーとのこと。信歩と岬戦ですが、十歩をボロボロにした相手にどうやったら信歩が勝てるんでしょうか。あまりにも高い壁に思えますね。十歩戦での岬の「・・・」が何かの伏線になっているのかな。十歩のおかげでハードルが上がって楽しさ倍増ですね。さすが十歩。そういえば将棋部の先輩など、登場人物がみんなJippoを知っているのが面白かったなあ。実はすごい有名人なのね。

今週は記事ページは無し。毎週やるもんだと思っていましたが、不定期のようでちょっとがっかり。まあこれも来週に期待ですね。それではまた。