zekaoh's blog

将棋、雑記など

天野貴元さんが死去

2015年10月27日に天野貴元さんがお亡くなりになったとのニュースがありました。
30歳とのこと。早すぎる死だと思います。ご冥福をお祈りします。

12月21日追記

www.hochi.co.jp
報知新聞記者、北野新太さんの記事。

11月22日追記

週刊現代 12月5日号(11月16日発売)の先崎学「吹けば飛ぶよな」に天野さんの話。
タイトルは「ガンと闘った男。ふたりで十秒将棋を指した」。名文でした。

11月8日追記

shukan.bunshun.jp

下の11月12日号の文春記事がWEB上に全文掲載。

11月6日追記

週刊文春2015年11月12日号 | バックナンバー - 週刊文春WEB

週刊文春11月12日号P52あたりに天野さん追悼のミニ記事。

11月5日追記

http://www.kashiwa-shogi.com/index.html
11月5日のつぶやきに天野貴元さんの葬儀の時のお話が掲載されています。

以下天野さんについて記述のあったプロ棋士のブログ

広瀬章人の一喜一憂ブログ:葬儀(11月4日)

戸辺流ブログ 親友との別れ(11月2日)

天野君のこと。 - 渡辺明ブログ(11月2日)

訃報 - daichanの小部屋(10月31日)

明日対局 瀬川晶司のシャララ日記/ウェブリブログ(10月28日)

11月2日追記

shukan.bunshun.jp
天野さんの文春記事が全文掲載されています。

www.hochi.co.jp

10月31日追記

book.mynavi.jp

10月30日追記

www.hochi.co.jp

報知新聞記者、北野新太さんの記事

天野さんの通夜は31日午後6時から、葬儀・告別式は1日午後0時30分から八王子市の宝泉寺別院で営まれる。

10月29日追記

日本将棋連盟東葛支部 柏将棋センター
10月29日のつぶやきに石田和雄九段の天野貴元さんへの追悼の言葉が掲載されています。

追悼 がんと闘病 将棋赤旗名人 天野貴元さん/世界一前向きに生きた
しんぶん赤旗の記事です。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151028/k10010285741000.htmlwww3.nhk.or.jp
30秒ほどの動画が見られます。

「ものの歩」7話目の感想

「ものの歩」7話目の感想

いよいよ信歩の将棋大会デビューの回。
公民館で行われる千駄ヶ谷将棋大会に学生服で出場している信歩くん。おそらく休日だと思うのですが、私服じゃないのね。そういえばまだ信歩の私服姿は見たこと無い?

そして新キャラ、ワクワク動画のゲーム実況者でプロゲーマーの「相楽十歩(さがらじっぽ)」が登場。ユーザーネームは「jippo(ジッポ)」。ライターはzippoです。
マイク、カメラ、ぬいぐるみ、フード、セリフ回しと完全なる曲者キャラ。正直こういうタイプが出てくるとは思わなかった・・・(少年マンガらしいけど)

ワクワク生放送 【生放送】将棋初心者が聖地の将棋大会荒らしてみる 来場者数37081人

実況しながら優勝候補をいきなり負かすjippo。将棋をはじめて一ヶ月と言っていたので相当な才能の持ち主か?それとも裏があるのでしょうか・・・

それにしてもニコニコ生放送のゲーム実況とか見たこと無いので、実際どんなものかわからないんですが、来場者数3万超えとかかなりすごい実況者のよう。
実際にニコニコ生放送ではjippoのように実況しながら大会で将棋指す人もいるんでしょうか。作者オリジナルのキャラクターだとしたらなかなかすごいアイデアですね。
ただ実際にこれをやるとなると、実況は不正行為ではないとはいえトラブルの元になりそうなので、とりあえず大会主催者とか対局の相手とかには了解をとらないといけなさそうではあります。


図面は信歩が鮮やかに詰ませた13手詰めの局面。信歩側の目線のほうが見やすいので先後は逆にしてあります。符号も逆です。
さあ信歩になった気持ちで考えてみましょう!

問題図








 

解答

▲4三銀成 △同 玉 ▲4四香 △5二玉 ▲5三歩 △6一玉
▲5二銀 △7二玉 ▲8二金 △6二玉 ▲5四桂 △5三玉
▲4三香成
まで13手で先手の勝ち

詰め上がり図。漫画の投了図は▲5四桂まで。

▲4三銀成を発見するのがまずすごい。続く▲4四香はこの一手なのでここに打つのは見えるけど、その後玉が左右どちらに逃げても詰まないような感じに見える。
自分なら△3二へ逃げそうなところだが、玉が△3二へ逃げても▲5四馬と入って詰み。

変化図1


問題図から
▲4三銀成 △同 玉 ▲4四香 △3二玉 ▲5四馬 △2三玉
▲3二銀 △1二玉 ▲2一銀不成△2三玉 ▲3二馬

まで11手で先手の勝ち

△3二玉は駄目なのでこの大学生は△5二玉と逃げた。最善の順を選べるのだからこの人は決して弱くないことがわかる。
信歩の終盤力をこの大学生が知っていれば、もっと慎重に指していたと思うので、一回戦で信歩は負けていたかもしれない。
まあぺらぺらとしゃべっていたから・・・

変化図2

初手▲4三銀成に△同玉とせず△2三玉と逃げた場合。

ど、どう詰ますか、か、簡単だぜ・・・





ここからはズバッと▲3三馬で詰み。と、当然のように自分には全然見えない手だぜ!

変化図2から
△2三玉 ▲3三馬 △同 銀 ▲3二銀 △1二玉 ▲2三金
まで7手で先手の勝ち


いやあ終盤は難しい。自分はこんな詰みは読めません。今回はソフトに助けてもらいました。
こういう詰みを瞬時に読むんだからいかに信歩がすごいかがよくわかりますね。


今回の漫画は将棋の戦術や大会マナー、新キャラなど色々と情報が多く、かなり中身が濃いような感じでした(盤面情報もありましたし)。ただうまく初心者キラーの大学生さんを使って情報をスムーズに説明していると思います。
来週はjippoがどういう戦い方をするのかが面白そうなポイントですかね。個人的には意外なキャラの登場によって先が読めない展開になったので、若干これから大丈夫なのかと不安も感じるところですが、熱いドラマを期待したいと思います。

将棋参加人口について

www.j-cast.com

将棋参加人口について

レジャー白書によると15歳以上の「将棋参加人口」は09年の1270万人に対し13年は670万人に激減した。将棋に詳しいジャーナリストによれば、人口の減少はレジャーの多様化に将棋も飲み込まれたためで、特に08年のリーマンショック以降の協賛金の減少が響いているのだという。企業などからの協賛金は「名人戦」などの賞金に充てられ、かつては数千万以上を稼ぐ棋士がざらだった。

週刊将棋休刊についてのJ-CASTニュース。赤字が記事中で気になった部分。調査方法が変わったんですかね。
2009年の数字については以下の記事に説明があります。

asahi.com(朝日新聞社):囲碁人口610万人、将棋1200万人 レジャー白書 - 将棋

2011年版「レジャー白書」によると、昨年の囲碁人口は610万人、将棋人口は1200万人だった。ともに09年の結果とはほぼ横ばいだが、08年は囲碁250万人、将棋690万人だった。大きく膨れあがったのは、調査方法を切り替えたのが理由だ。

 レジャー白書は09年調査の2010年版で、用紙を渡して直接書き込む従来の方式から、インターネット調査に変更した。すると、囲碁人口は前年の約2.6倍にあたる640万人、将棋も約1.8倍の1270万人に急増した。

この記事は2011年のもの。調査方法が変わったので将棋人口が増えたように見えるという記事。

今は一体どうなっているのかなと思い検索してみると以下のページが。

麻雀人口と市場規模 ~レジャー白書2014より | 麻雀フェスタ
将棋人口の推移について考える - 将棋のブログ
『いけるい』の将棋日記 「週刊将棋」の休刊は、将棋界の危機なのか?
麻雀の市場規模データを更新しました④ 〜時間泥棒編〜 : 天国へ行くための136の方法

上記ページにあるレジャー白書の将棋参加人口情報、いけるいさんのページにある社会生活基本調査の数字をまとめるとこうなります。

レジャー白書 社会生活基本調査
2001年 1030万人
2002年 910万人
2003年 900万人
2004年 840万人
2005年 710万人
2006年 770万人
2007年 660万人 441万人
2008年 690万人
2009年 1270万人(調査方法変更の影響)
2010年 1200万人
2011年 830万人
2012年 850万人 392万人
2013年 670万人
2014年 850万人(ソースはこちらのページ
(いけるいさんのページでは670万人)

実物を調べたわけではないので数字の正確性はわかりません。
とりあえず数字は2013年は激減していますが、あれ、2014年は戻ってますね。うーん、180万人の増加・・・?
ちなみにどういう調査方法なのかについて、再び上記朝日記事から引用。2011年の記事。

今回は15~79歳の約3700人にネットで余暇活動の状況を聞いた。1年間に1回以上、囲碁や将棋をした人数から「人口」を算出。14歳までと80歳以上は人口に加味されない。愛好者一人あたりの年間平均活動回数は、囲碁が15.1回、将棋が8.4回。二つの種目の比較では、将棋が大衆性で上回る一方、囲碁はリピーター率の高さを示した。

このやり方で今も調査しているのか不明ですが、200万人単位で減ったり増えたりしているので、おそらく調査の具合で2013年はたまたま低い数字になっただけのように思います。参考にした表にある囲碁や麻雀などの他のゲームも人口が増えているので調査方法が少し変わったのかもしれません。

そもそもこの数字はどれだけ実態を反映しているのかわからないので、どう見ていいかが難しいんですよね。
将棋は指さないけど本や観戦にお金を使うファンもいますし、将棋アプリ、詰将棋アプリなんかで遊ぶ人も参加人口に入っているのかどうか・・・
自分の感覚としてはそんなに将棋ファンの数は変わっていないような気がしていますけど、全体としてはやっぱり縮小傾向なんでしょうね。街の将棋道場なども増えているのか減っているのか気になるところです。

週刊将棋休刊について

週刊将棋休刊については 上記J-CASTニュースの記事にあるとおり、ネットの影響が一番大きいんだと思います。
週刊将棋を買っていたお金が、ニコニコ動画と連盟モバイルあたりに流れたんでしょうか。全体のパイ自体はあまり変わっていないような感じは個人的にはしますが、ファンは将棋をアーカイブするような楽しみ方から、ライブ的にその場で消費するような楽み方になったのかもしれません。

棋士の収入について

棋士の収入については調べてないのでスルー(調べる気もないです)。ただ今年度から叡王戦が始まったので今年は前年よりは増えているはず(達人戦は無くなったけど)。叡王戦はとりあえず3年?は続くような話だったと思います。
本当は連盟は叡王戦を盛り上げて、長年続く棋戦にしたいところだと思うのですが、誰の思惑なのか叡王戦は自由参加のエントリー制にしてしまったので、結果として今年は羽生、渡辺がいない棋戦になってしまいました。この判断は良いのか悪いのか、今年どれくらい盛り上がるか、来年はどうなるのかなど、まあ色々見てみないとわかりませんね・・・

将棋界の危機について

将棋界の危機ですが、ずっと前から将棋界は危機危機言われているのでちょっと聞き飽きた言葉ですね。まあでもこれから想定される危機で一番ありそうなのはタイトル数の減少ですか。7大タイトルから6大タイトル、5大タイトルへ・・・これは近い将来有り得る話だと思いますが果たしてどうなりますか。
タイトル戦のネット中継の定着、初の女性プロ入りを目指す里見香奈三段、藤井聡太三段などニュースターの出現、などなど明るい話題もあるので自分はそんなに悲観はしていません。ジャンプで漫画も連載中ですしね。

おまけ

麻雀の市場規模データを更新しました③ 〜天下創世編〜 : 天国へ行くための136の方法
こちらの記事には「レジャー白書」特別レポートからの2010年の将棋参加人口、デジタル参加人口、デジタル活用度の表が載っていました。
記事から詳しいことはわからないんですが興味深いデータだと思います。2015年の今はどれくらいの割合になっているんでしょうか。

「ねずみ将棋」の紹介

「ねずみ将棋」は魚肉マンさんがHSPで作られた将棋のフリーソフトです。
面白かったのでご紹介。

ダウンロードはこちらから
ねずみ将棋 - SoupSeed

目次

タイトル画面


タイトル画面。ハム将棋ではなくねずみ将棋ですね。似ていますが違いますね。
タイトルの雰囲気がすごくいいと思います。

遊べるモードは4つ


遊べるモードは4つ。通常対局、目隠し将棋、ランダム将棋、10秒将棋。
強さの違うキャラクターが3人。つよい:神様、ふつう:たぬき、かわいい:ことり。ことりのかわいいは強さの表現で合っているのでしょうか・・・
たぬきとことりは弱いですが、神様はきちんと普通の手を指してきてそれなりに強いと重います。上記ページの作品紹介にアマチュア級位者向けと書いてありましたが、神様はハム将棋よりは若干強い感じでしょうか。先後の選択、駒落ちも対応しているので自分にちょうどいい手合いで対局できると思います。
対局では「待った」の機能はないのですが、指し直したい場合は一旦中断してから手を戻し「ここから対局」を選択すれば「待った」をすることが出来ます。また棋譜もCSA形式で保存、読み込みが可能です。
色々機能があって、ユーザーが遊びやすくなるよう細かい配慮がされていると思います。後述しますがこの他にさらにおまけがついています。

ランダム将棋


自分が面白かったのはランダム将棋。画像を見るとわかると思いますが自陣の歩以下の駒がバラバラに配置されています。開始するとスロットのように駒が高速でバラバラに動き、ストップを押すと動きが止まり駒が配置されます。運が良ければ初めから玉が穴熊に入っている場合もありますが、運が悪ければ玉ではなく飛車が穴熊の中にいたりします。
でたらめ配置は一見指すのが大変そうですが、歩が三段目そのままなので防御力はあり意外とひどい事にはなりません(香車や大駒がむき出しになっていないのですぐに駒を取られない)。
偶然生まれた初期配置からどうやって駒組みしようか、どうやって攻撃態勢をを作ろうかを考えるのがパズル的で非常に楽しい。敵陣もよく見ないと意外なところに香車がいたりして、うっかり駒をタダ取りされてしまったなんてことがよく起こります。
このモードは新鮮で楽しかったのですが、慣れてくると向こうの駒組みの甘さが気になったので、欲を言えばもう少し強いコンピュータキャラがいてもいいかなと思いました。

おまけモード


おまけモードの達成項目画像です。この画像はちょっとネタバレが入ってますね・・・
10項目を達成すれば○○がもらえます。こういうお遊び要素はうれしいですね。
神様に勝てるのであれば達成は楽だと思います。神様に勝つのは駒落ち戦でもいいのかどうかは試してないのでわかりません。
目隠し将棋、10秒将棋はことりが相手でも達成できました。目隠し将棋は将棋盤があれば将棋盤、またはKifu for Windowsなどのコンピュータ将棋盤を使えばいいですね。

まとめ

以下まとめ。
級位者向け将棋ソフトとして完成度が高いと思いました。将棋だけでなく色々なモードやお遊び要素を入れて、楽しんでもらう方向に優れたゲームになっていると思います。
これに完全初心者向けのチュートリアルモードなどがあればもっと良いですかね。
イラストも作者さんの自作なんでしょうか、とぼけていてとても良いです。無味乾燥になりがちな将棋の世界ですが、見た目も含め楽しんでもらう工夫は大事だと思いました。
AIの強化や新しい変則将棋の追加など、もっと色んな要素を取り入れたバージョンアップ版なども期待したいですね。

週刊将棋が休刊

週刊将棋が休刊。
「週刊将棋」休刊のお知らせ | お知らせ|お知らせ・イベント情報:日本将棋連盟
『週刊将棋』休刊のお知らせ | マイナビブックス
雨宮編集長のコゴト@休刊のお知らせ | マイナビブックス
将棋専門紙「週刊将棋」、来春に休刊 唯一の週刊新聞:朝日新聞デジタル

週刊将棋が来年の3月30日号で休刊するそうです。
1984年1月から2016年3月まで約30年、長い歴史のあるメディアが終わるのは残念ですね。
といっても自分はほとんど読んでいないので語る資格も無いんですが、さすがに新聞形式での発行は無理があったのだろうと想像できます。
電子書籍でPCからでも読めたんですけど、新聞をそのままスキャンした画面は読みにくい感じがしました。買ったのは2、3年前で、まあもうすでに自分は将棋世界もろくろく読まなくなっていた頃なので、週刊将棋がPCで快適に読めたとしても続けて買ってはいなかったでしょうね。
スマホタブレット普及などによる紙媒体離れの問題と、将棋ファンのメディア離れはそれぞれ違う問題ですが、なんとなくこの2つはリンクしているような感じもします。時代にあった将棋メディアが生まれることを期待しています、と口だけで言うのは簡単ですが、実際に商売にするのは難しそうな気がします。


創刊の1984年というと名人戦 (将棋) - Wikipediaによると谷川浩司名人の頃のようです。この頃は谷川光速流のブームだったんでしょうか。新聞記事等によると羽生七冠達成時が発行部数のピークとのこと。そりゃそうだろうな。

自分はだいぶ後になって将棋を知ったので詳しくはわからないのですが、この頃は他に将棋マガジンとか近代将棋とかあったんですよね。複数ある雑誌をまかなえるだけの情報量をその当時の将棋界は持っていたんでしょうか。現在ではちょっと考えられない感じもします。

週刊将棋が無くなり、これで紙媒体は将棋世界NHK将棋講座だけになってしまったわけですが、これが将棋の普及にどう影響するか・・・がちょっと気になりますね。何も影響がないような気もしますけど、ニコニコとかのネット動画が今は普及に大きな役割をしているんでしょうかね。


以上休刊に関しての適当な感想でしたが、バトルさんの「オレたち将棋ん族」は週刊将棋休刊後もマイナビのサイトで連載して欲しいところです。
マイナビ将棋情報局 | マイナビブックス

https://book.mynavi.jp/files/topics/44056_ext_02_0_L.jpg
思わずブログに無断転載してしまいました。うーむ。しばらくすればリンク切れになるかな。
それにしても普通こういうのはリンクとか画像保存出来ないようになってるんじゃないのかな・・・

「ものの歩」6話目の感想

「ものの歩」6話目の感想

盤面は竜胆対桂司の最終図。
先手竜胆、後手桂司で▲6四歩までと思われます。

たぶんこれでいいと思うけど、これで詰み・・・なのかどうかはちょっと自分にはわかりません。
詰まなくても先手圧倒的優勢ということでの桂司の投了ですかね(みなとに粘りなさいよ!と怒られている)。

本気じゃないと竜胆は言ってますが、四間飛車に対して居飛車穴熊とか本気で勝ちにいってる気がします。桂司は藤井システムで無理攻めした感じでしょうか。でも端歩が突いてないなあ。まあ自分は最近の戦型をよく知らないのでなんとも言えません・・・


物語は竜胆とシェアハウスのメンバーが会う話。部外者である竜胆が客観的にメンバーや状況を見ることによって、改めて舞台の設定などがわかりやすく説明されていると思います。なんというか竜胆が登場してからこの漫画は無理が無くなったというか、話がスムーズに流れたり、各キャラクターの造形が浮かび上がったりとすごくいい感じになったように思います。竜胆が読者に近い側として描かれているからでしょうか、一人のキャラクターによって漫画の世界に入りやすくなる、こういう現象はなかなか興味深いですね。各キャラクターも第一話の頃の尖った感じがなくなり、かわいらしい面が出てきてさわやかな青春ものとしても楽しめるようになってきたと思います。

次回は信歩の将棋大会デビューの話のようで、また今後の展開に繋がる波乱が起きそうで楽しみです。いよいよ馬くんが登場するのかな?

勝負師

10月15日発売の週刊文春に天野貴元アマの見開き2ページの記事が掲載されていたので立ち読み。

「抗ガン剤を拒否して僕が将棋を指し続ける理由」 〈ステージ4 元奨励会三段・天野貴元の壮絶闘病記〉:週刊文春デジタル:週刊文春デジタル(週刊文春デジタル) - ニコニコチャンネル:社会・言論
から冒頭の紹介部分を引用

「プ、プ、プ、ブー」
 時間切れを告げるブザーが鳴った。将棋盤を挟む二人は一瞬固まり、見守っていた人垣にザワめきが走る。
 十月十一日、さいたま市で開催された将棋アマチュア王将位大会北関東予選。敗者は将棋の内容で負けたのではない。駒を持ち、腕を動かす力が残っておらず、制限時間内に着手できなかったのだ。精いっぱいの苦笑いを浮かべて「すみません」と対局相手に唐突な終局を詫びた。その声は掠れ、聞き取りにくかった。舌をほぼ失っているからだ。
 この将棋指しの名は天野貴元(よしもと・30)。かつては将棋界で“羽生二世”と期待された天才少年だった。現在は末期がんを罹患しながら、アマチュアの大会で戦い続けている。

日本将棋連盟東葛支部 柏将棋センター
石田九段の今週のつぶやき 10月15日から引用

天才と謳われた少年がプロ棋士四段になれず挫折。その1年後に舌癌が発覚し、余命一年余と宣告されるという余りに悲しい運命。今は体重20kg位に激減しているようです。
「まだ短い付き合いだけど、彼の姿を見ていると涙が止まらない」と文春の記者は語っていました。

現在がんと壮絶な闘いを繰り広げている天野さん。上記の引用部分を読むだけでも病気の大変さがわかります。体を動かせずに将棋に負けるなんて、この冒頭を読んだだけで自分はその壮絶さに参ってしまいました。

文春の記事には天野さんの後ろ姿の小さな対局写真があったんですが、それを見るとかなり腕などは細く見え、石田九段のつぶやきの情報も考えるとあまり良くない状態であると想像できます。そんな状態でも大会に出場し将棋を指す情熱には感動するのですが、やはり体を大事にして無理をしないで欲しいとは思いました。

記事のインタビューで天野さんは前向きにがんの克服を信じ、将棋への愛を語っていてそこは大病を感じさせない頼もしさでした。奨励会でもまれてきた人間の強さというのでしょうか、生半可なことでは動じない強さがあるんでしょうね。また病気に対しても簡単には負けないぞという勝負師としての気迫も感じられました。
将棋の終盤で逆転をするように病気に打ち勝ち、一日も早くお元気になられて勝負師として復活されることを願っています。